2020.11.28 13:24薄い交わり、せめて書き留めるの巻カフェの2階の席で、執筆していた。お話を書きつつ、周囲の様子も気になったりして、なので周囲のことも見つけ次第、同時並行で書き留めた。入店して20分。店内には、ゆったりとリズムに乗れるようなテンポの洋楽が流れている。階段から、靴音が聞こえてきた。1階から上がってくるその靴音が、完全に洋楽のテンポの裏打ちのタイミングで刻まれていて、思わず音のする方を見てしまった。ハイハットのように正確な裏打ちだ。音楽...
2020.11.22 12:47人生初の道端に、財布が落ちていた。革の、パンパンの財布だった。夜だったので、人通りが少なく、でも数人は歩きながらその財布が目に入っていたはずなのだが、みんな通り過ぎていく。僕は、歩く速度を落とした。大通りの反対車線に、パトロール中らしきパトカーが止まっていた。「パトロールカー」の名前にふさわしい働きをしている。パトカーが止まっていることによって、僕の心の中に天使と悪魔が出てくる隙もなく、拾ってパトカーに乗...
2020.11.17 13:13指示に従わずとも「触れてください」のタイプの自動ドアは、実は、触れなくてもセンサーが感知してドアが開く。なので、僕は、触れないようにしている。ウイルスがどうこうではなく、昔から(触れないでも開くことを知った日から)、「触れてください」という文言に対抗心を燃やして、触れないようにドアを開けている。改札では、ICカードのところに「しっかりタッチ!」と書いてある。やんわりタッチして通ってみる。トイレでは、ボタンのところ...
2020.11.07 13:38オニやほとけや信号待ちをしている時に、20代くらいの女性2人が隣で喋っていた。どういう文脈か分からないが、片方の人が、「松井先輩はマジでオニやさ」と言った。もう1人はそれに対して、「分かるわーマジほとけだよね」と言った。日本語、進化してるなあ。「オニやさ」はつまり「オニやさしい」ということだ。「やさしい」に、近頃、程度の高い様を表す副詞の意味も持つようになった「オニ」という言葉をつけて、「とてもやさしい」という...