居酒屋讃歌
飲食店も大変だ。
居酒屋も、まだ店を開けられないところが多い。
駅の裏手の飲み屋街とか、そういう雰囲気が恋しくもある。
というわけで、去年の今頃に書いた日記をここに書こうと思う。
自転車で帰る時、駅前の飲み屋が並ぶ道を通る。
「こんにゃく串、ふた本!」という店員さんの声。
ほう。
「ふた本」って言うんだな。
店員用語っぽくてかっこいいなと思った。
そうしたら、奥の厨房の店員さんが「はいよー、にゃく、に本!」と言った。
あれ。
「に本」って言った。
「ふた本」、全然浸透していない。
「ふた本」と言ったさっきの店員さんが恥ずかしい感じになってまうやん。
…あと、「にゃく」って。
そっちが店員用語?
にしても「にゃく」って。
こんにゃくを、「にゃく」って。
それぞれの個性を大事にしているのかな。
まあ、いいのだけれど。
そんなことが気になる人は1人もいないらしく、皆さん楽しげにお酒を飲んでいる。
様々な客と、様々な店員を全て包み込む、居酒屋、という空間。
不思議な空間。
そして、何も関係ない僕が、なぜか少しだけ感傷的で、でも優しい気分になったような気がしてしまうのである。
なぜだろうなあ。
…自転車というのは割と速度の乗り物で、そんなことを考えているうちにだいぶ進んでいってしまう。
今日は顔に吹く風が、「冷たい」ではなく「涼しい」だ。
夏近し。
というわけで、去年の今頃には想像もつかなかった様相の5月。
「オンライン飲み」だけでは味わえない、あの雰囲気。
大手を振って仲間と飲みに行ける日を楽しみに。
お酒は二十歳になってから。
この辺で擱筆。
写真は「「いやオープンと同時に置いとけよ!」…というツッコミがくることを想定して、「あります」を貼ったのだろうか。」
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