矛と盾。

「『貼り紙禁止』という貼り紙」は、自己矛盾である。


「『立て札禁止』の立て札」でもいい。


お手軽パラドックス。




同じようにして、全能の神がいないことも証明できる。


あなたの前に自称・全能の神が現れたとする。


こんな風に言って困らせてみよう。


「あなたが重くて持ち上げられない重さの岩を出現させてみて下さい」。


自称・全能の神は、「ううう…」となるだろう。


「あなたのできないことを教えて下さい」だと、もっとシンプルだ。


何でもできる人はいないもんなあ。





「例外のない規則はない」も自己矛盾だろうか。


この命題の例外は、「例外のない規則もある」である。


あちらが立てばこちらが立たず、である。




絶対のものは、この世にないと思う派である。


存在の有無をはじめ、物事はどれも不確かだ。


人間が色々なものを分類したり記号化したり規則に当てはめて、「絶対」ができた。


また、例外が過去に起きたか、や、例外が存在し得るか、ということでも絶対かそうでないかを人間は勝手に判断する。


そして、人間そのものが、自己矛盾の塊みたいなところがある。


自分の言動で、何も矛盾しない人はいるだろうか。


人間は矛盾を生きる。


ただ、それが良くない形の矛盾でないといい。


明らかに矛盾したところを同じ人に見られると、不信感を与える。


矛盾という言葉が面白くなってきた。


『韓非子』より、だ。


「矛盾」であっても「嘘つき」でないようにしよう。


「矛盾」とたくさん書いてしまった。


ゲシュタルト崩壊だ。


この辺で擱筆。

写真は「『祝』で改行せえ。」

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