スケボーズ
吉祥寺には、夜になるとスケートボードをやりだす若者がいる。
結構な音を立てて。
なんか技みたいなのを練習しているが、僕が通りかかったタイミングで成功していたことは今までに一度もない気がする。
彼らは、どこを目指しているのだろう。
他の人ができない技をできるようになることが、彼らの世界では上に立つことにつながっているのだろうか。
それとも、一緒にやる仲間がいるから、そこに自分の居場所を求めて集まるのだろうか。
すごい大富豪の御曹司がこっそり家を抜け出してスケボーしに来ていたら面白いのにな。
まあでも、車が来たら道の端に一回よけて、通り過ぎたら再開するあたり、一概にワルたちとも言えない。
いい奴らなのかもしれない。
彼らが必死で見つけた居場所で、ナメられないように、この居場所を失わないように、他の人から見たら意味の分からないスキルだろうが彼らはそれを磨かなければいけないのかもしれない。
そして、「できねーなー」と言い合ったり、誰かができてしまったらちょっと悔しいと思いながらも「すげー!」とほめたりしているのかもしれない。
僕が生きている世界で起こることとそう変わらないことに気づいた。
僕だけではなく、割とどんな世界でも。
もし彼らが、言葉を介さなくてもスケボーをすることでどこか通じ合えているのなら、実は美しい関係性なのかもしれない。
実は、は余計であった。
この辺で擱筆。
写真は「なんか逆光の感じがうまく撮れた気がするけどそうでもない気もする。」
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