マーカーとクリーナーとおばさん

オンラインで人とやりとりが多いゆえ、オンラインで遊べることを色々模索している。


スクリーンショットみたいにして画面を共有したりできるので、パワーポイントなどでクイズを作って、それを見せて解いてもらったり。


大喜利とか、なにか答えを書く遊びをやるとなると、ホワイトボードが必要だ。


ホワイトボードはあるのだが、ホワイトボードマーカーを紛失していた。


なので、ホワイトボードマーカーとクリーナーを買いに。


僕にとっては早急に必要な外出だったので、これぐらいは許してもらおう。




あれこれ売っているお店の文房具コーナーへ。


ペンの棚を見回しても、ホワイトボードマーカーなるものがない。


水性ペンっていけるんだっけ、とか思ったが、いやそんなことないよなあと。


ホワイトボードのコーナーがあるのかなと店を一周するが、見つからず。


極力会話は避けてほしいと思われるだろうな、と思いながら、仕方ないのでレジのおばさんの店員さんに聞いてみる。


「ホワイトボードマーカーって置いてますか」


「はい?」


マズい。


マスク越しにも飛散しないようにぼそぼそ喋りすぎて、伝わらなかった。


少しだけ声量を大きくして、もう一度聞く。


「ホワイトボードマーカーって置いてますか」


店員さんは、頷いて、歩き出した。


うわあ、やっぱり会話は避けながら対応してるじゃん。


申し訳ないなあ…。


でもこれ、お客さんによっては、無視してどっか歩いて行っちゃったよ、と思わないだろうか、と思ったが、口には出さずに。


案内された場所は、ペンの棚の向かい側の棚だった。


うげ。


一生懸命探してた背中側にあったのか。


おとといに引き続き、近くのものに気づけないミス。


一周回った時になぜ気づけなかったのだろう。


「この辺はさっき見てたから…」という先入観だなあ。


先入観、厄介だなあ。


おばさんに「ありがとうございます」と小声で言った。


おばさんはあっという間に踵を返してレジへ戻っていった。


僕も、ホワイトボードマーカーとクリーナーを手にしてレジへ。


レジは3列あったので、さっきのおばさんではない人のレジに行ってしまった。


お会計を済ませて、カバンに詰めていると、さっきの案内してくれたおばさんが隣のレジのおばさんの店員に、「それでさあ、エアコンが壊れてる話なんだけどさあ」と喋り出した。


隣のレジのおばさんも、「ああそうそう、聞かせて」と。


いや、喋るんかい。


じゃあさっきの僕に対してのやつは単に態度悪いだけやないかい。


もしかして、お喋りを邪魔されて、少しイラついていたのか…?


でもなあ。


もうちょっと優しくしてくれてもいいのに。


でも、そんな思いも、言うほどのことではなかったので、商品とともにカバンに詰め込んで、今日の出来事として書いている今である。




店を出ると、雨が止んでいた。


悪いことばかりでもない。


おばさんも、レジ端会議に花を咲かせて下さいな、と思った。


この辺で擱筆。

写真は「Galette」

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