ズルとルール

当たり前のルールを考え直してみると、面白い。


どういう経緯でそのルールができたのか想像してみるのである。




例えば、サッカー。


「手を使ってはいけない」。


球を相手のゴールに入れる球技であったのだろうが、誰か手を使ってボールを抱えながら走った奴がいて、「いやこんなん誰も取れないやん!」となったのだろう。


そして、「手を使っちゃダメってことにしよう」となったのだろう。




麻雀で、「アガリ牌を手に組み込んではいけない」。


ペンチャンでアガったのに、それを手に組み込んでリャンメンでアガったことにして、ピンフもつけてハネ満にした不届き者がいたんだろうなあ。


それで、「次からアガリ牌を手に組み込んじゃダメだからね!」となったのだろう。




そういう、法の抜け穴をかいくぐろうとする輩がいたからこそ、ルールが整備されていった側面も大いにあると思う。


昔、友達で、「解いてみて」と渡した僕のお気に入りの知恵の輪を、次の日ペンチで金属を曲げて分解して持ってきた人がいた。なに壊してるんだ、と結構怒った覚えがあるが、今思えばそれも「知恵」ではあったのだ。


道に反することはあんまりよくはないが、ズルというものは、意外とスポーツやゲームの質を向上させ得るなと思った。


この辺で擱筆。

写真は「はじめました」

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