God bless you.
心にゆとりを持って過ごしたい今日この頃。
もちろん、自分の身は自分で守らないといけないのは分かっているが。
外で、マスクをしていない人を目の敵のように見たり、咳やくしゃみに過剰に反応したり。
そんな世知辛い世の中じゃあ困るなあと思う。
高校時代、バスに乗っていた時のこと。
停留所で待っていた前から4、5番目の、30代ぐらいの男の人が、乗り込んだ後、ポケットにSuicaが見つからない、となって、カバンを探し始めた。
後ろにはまだ何人か待っている人がいる。
すでに乗っている客も、もたついてるなあ、と思っていた人もいるかもしれない。
その時。
運転手のおじさんが「分かります、私もそういう時ありますよ」と言った。
客席からは少し笑い声が起こった。
その人の後ろに並んでいた人も、不意を突かれた顔になり、でもそのお陰で若干のイライラした気持ちはおそらく飛んでいってしまっていた。
Suicaが見つからない当の本人は、「すいません」と謝ってはいたが。
結局、カバンの内側のポケット的なところに入っていたSuicaを取り出し、無事にタッチして乗客の仲間入りを果たした。
運転手のおじさんの一言で、気まずかった状況が、ややもするとイライラが募ってしまいかねない状況が、フワッと和やかなものになったのである。
僕も、心の中で「ナイス運転手」とつぶやくと同時に、なんて心にゆとりを持った運転手なんだ、と感嘆していた。
西洋では、「くしゃみをすると魂が抜ける」という言い伝えから、誰かがくしゃみをした時は、"God bless you."(「神のご加護がありますように」)と声をかける。
当人に聞こえなくても大丈夫だ。
皆さんも、くしゃみをした人を見かけたら、白い目で見るのではなく、ちょっとだけカッコつけて、"God bless you."とつぶやいてみてはいかが。
心にゆとりを。
写真は「この絵はユトリロ。」
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