知ってるフリ

知識収集が好きだ。


だから、誰かが言ったことで自分の知らないことがあるととても悔しい。




中学生で、電子辞書を買ってもらった。


授業で「これ分かる人?」と聞かれて、それが僕の知らないことだったら、こっそり電子辞書で調べてあたかも知っていたかのように答える、ということをした経験もある。


今考えれば、周りにバレていたかもしれない。


その罪悪感や気恥ずかしさから、大学でそういうコントを作った。


こっそり調べて、自分は知ってました風に答えを発表していた奴に、「さっき調べて答えてたよな?」と詰め寄るコント。


人間の、触れてほしくない部分とかに焦点を当てて、笑いに変えられるのも、漫才やコントの良さのひとつだ。




知らないけれど何となく話を合わせてニコニコしてその場をやり過ごす、という場面は、人生でどれほど経験しなければならないのだろう。


あと、最初に知っている風なスタンスで入ってしまったものだから、後に引けなくなってどんどん窮屈になっていくのとかも。


あー、今何か聞かれたら爆死するー、というアレ。


僕は懲りずに未だにそういう場面に突入してしまうことが割とある。


そういう意味でも、知識は多く持っているに越したことはないと思っているのだが。




しかし、ここで問題がある。


相手にそういう思いをさせてしまっている可能性だ。


あの時実は僕は得た知識を使って意気揚々と話をしてしまって、相手が困惑していたとしたら、とか考えると、それはそれで苦しくなる。


たとえツッコミが伝わらなくて不発に終わった時とかも、何とも言えない気分になる。


向こうも「知らなくてごめん」みたいな感じになってしまうし、僕も「何かひけらかすみたいになってごめん」となってしまう。


ルーズルーズやないか。






ウィンウィンの逆の。






「ウィンウィンの逆の」と書かなくても「ああ、ウィンウィンの逆ね。あんまルーズルーズとは言わないけどね」と思えた人が少しでもいたなら、嬉しい。


そして、分からなかったとしても、見限らないでほしい。


分からんこといっぱい言う奴なんだな、というぐらいに思っておいてもらって、根気強く話を聞いてもらいたい。




…わがままな奴だ。


うーん、どうすればいいんだろう。


ちょうどいい感じに、うまくやるしかない。


それと、この話はこの人にはかなり伝わる、というそれぞれの知り合いを大切に。




皆さんも同じような悩みを少なからず持っていると信じることにする。


この辺で擱筆。

写真は「醤油入れみたいな車止め」

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